時は昭和20年。満州の片隅に住む年老いた狼は餌を得ることができず自殺をしようとしていたが、そこに現れたのは女子供が中心の日本人一行。チャンスとばかりに後をつけた狼は、やがて母親とはぐれたキクちゃんという4歳の女の子と出会う。彼女は自分を犬と勘違いし、お菓子をくれたり甘えてきたりと、なついてしまった様子。すっかり襲う気が失せた狼は、やがてキクちゃんが何かの病魔に冒されていることを知るように……。そして、症状が悪化していくキクちゃんを見て、彼女を助けようと決意する――。原作は『火垂るの墓』などで知られる野坂昭如。かつて、人間が起こした悲劇を子供でもわかりやすい内容で綴った作品だ。